首を絞められアザになる
髪を伸ばしたかったのに伸ばすことができず、いつも男の子と間違われるくらい短かった小学校6年間。
ある夏の日、おさがりでもらった赤色(ワインレッドに近い)無地のワンピースを着させられた。きっと着る前から「やだなー似合わないよ」などと言っていたんだろう。実際着てみて鏡の前でブツブツ言っていた瞬間、ブチ切れた母は背後からワンピースの首根っこをつかみ、私を引きずり回し始めた。そこからの記憶が全く無い。引きずり回されるだけで済んだとも思えないのだが。窒息しそうなくらい苦しかったと思ったら、案の定首の周りにくっきりと絞められたような痣ができ、1週間くらい消えなかった。
それでも母はバツの悪そうな顔をしただけで謝ることはなかった。その時の私は破けた赤いワンピースを見て、もう着なくてもイイんだとホッとする、ただそれだけだった。親に殺されかけたなんて気が付くこともなく。