結婚式
挙式当日、私は機嫌が悪かった。私の機嫌の悪さにキレた親に私は、緊張している、写真撮りで顔が筋肉痛でつらいなどと言い訳していた。
しかし本当はそんなものではなかった。メイクさんに化粧をしてもらっている間ずっと母に見られ、ふだん母の前で化粧をするとその度に何かかにか言われていたので、トラウマのようにその日も居心地が悪く気分がぜんぜん乗らなかったから。そしてもう一つ誰にも言えなかったこと。メイクのあいだ母が私を見る目は、娘を嫁に出す母の眼差し。その眼差しが気持ち悪く「さすが世間体だけは立派!なにその目!嫁親っていう自分に酔っているんでしょう?!あれだけ散々な虐待をしておいて、よくもまぁ感傷に浸っていますアピールできるものだわ!」とモヤモヤと思っていたのだ。
私は親への手紙を読んでいない。